阪神城島健司捕手(34)が自慢の「鬼肩」をさらに強化する。城島が球団スコアラーに今季のスローイング映像を編集したDVDを要望していることが5日、分かった。自慢の強肩は走者をベースにくぎ付けにする抑止力となったが、盗塁阻止率3割4分9厘はリーグ3位だった。オフ期間中にお宝DVDで自身の反省点を洗い出して、今季以上に強肩をスパークさせる。

 城島が、タテジマ2年目に向けてハイパー鬼肩を完成させる。この日、今季のスローイング映像を編集したDVDを球団スコアラーに要望していることが分かった。他球団の脅威となった強肩だが、本人は満足していない。来季は進化した鉄壁捕手として君臨する。

 DVDは、球団が選手の要望に応じて編集して渡すもの。オフに自身の映像を見直す復習用だ。打者はヒット集などが一般的。マートンは日本新記録の214安打を収録したDVDを希望している。しかしジョーは打撃のDVDに加えて、捕手らしく送球映像を選択した。球団関係者は「いいものも悪いものも入っています」と説明。盗塁を刺した場面ばかりではなく、送球が乱れたケースや捕球姿勢が崩れて盗塁を許した場面も収録しているという。

 日本初のメジャー捕手がさらなる進化を目指している。盗塁阻止に対するポリシーは「ことを起こさせないことが一番」。投手との協同作業で盗塁のスタートを切らせないことを最善としている。そのために精度の高い送球プラス一塁けん制も入れて、走者をベースにくぎ付けにする。実際に相手チームの盗塁企図数は昨季の131から65に半減(城島63、狩野1、清水1)。抑止力として機能した。

 ただジョーは「盗塁阻止率4割はやっぱりクリアしたいところ」と言う。今季の同3割4分9厘は巨人阿部、中日谷繁に次ぐリーグ3位だった。阻止率を上げれば(1)走れない(2)走っても殺す、という足攻めに対する防御の理想型に近づく。

 今季は優勝した中日と1ゲーム差の2位だった。首脳陣は従来より飛ばない統一球対策として守備力強化を掲げている。大一番ではひとつの盗塁が勝敗を左右することもある。百戦錬磨のジョーが悲願のV奪回に向けて、自慢の強肩をさらに強化させる。

 [2010年11月6日10時29分

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