国内FA移籍を目指す西武細川亨捕手(30)が8日、入団から9年間を過ごした球団に事実上の“決別”を宣言した。西武ドームで行われた3度目のFA交渉には、覚悟のほどを示すようにスーツ姿で、髪を短く切って臨んだ。「ここまで2度も優勝させていただいて感謝してます。でも人間として、野球人としてもレベルアップしたい」と権利を行使して、他球団に移籍する意向を正式に伝えた。

 必要以上の引き留めはなかった。前回提示された条件面から上積みはなく、話し合いは20分程度で終了。前田球団本部長は「残ってほしいと話しましたが、彼の出した結論を尊重したい。戦力として痛いのは間違いない。ただ宣言して、他球団の話を聞いた後の残留は認めません」と話し、あらためて球団原則として慰留しない方針を示した。

 細川は悩んだ末の決断だったことを明かした。「最近はずっと眠れてません。厳しい練習が夢に出てくることもあるし、子どもには最後まで反対された」と複雑な表情も浮かべた。だが今は家族の理解を得て、気持ちは固まっている。球団から申請手続きに必要な書類を受け取り、9日にも提出する。横浜、ソフトバンクが獲得に興味を示している。練習は今後も西武第2球場で行う。【柴田猛夫】

 [2010年11月9日8時41分

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