阪神が戦力外選手で中継ぎ補強に乗り出すことが8日、分かった。前巨人の小林雅英投手(36)、豊田清投手(39)、前横浜の加藤康介投手(32)の獲得を検討。あす10日に行われる合同トライアウト(西武ドーム)で最終チェックする予定だ。実績のある「再生投手」で、今オフの課題である中継ぎ陣の充実を図る。

 阪神が「リベンジ魂」で中継ぎ陣の増強を図る。戦力外通告を受けた巨人の小林雅、豊田や横浜の左腕加藤の獲得を検討。あす10日に行われる合同トライアウトなどを通して、最終チェックする予定だ。球団首脳は「1軍の登録枠に限りはあるが、検討してもいい」と戦力外組の獲得に前向きな姿勢を見せた。

 今季の真弓阪神は投手陣のやりくりに苦労した。相次ぐ先発陣の故障は、ブルペンに大きな負担を与えた。ルーキー西村の台頭はあったが、登板過多でシーズン終盤に失速。駒不足は顕著で、藤川、久保田の「勝利の方程式」の疲弊につながった。「やはり投手は何人いてもいい」という声が球団内で上がった。ただ中継ぎ補強といっても、打つ手に限りはある。メッセンジャーの残留が決定したことで、新外国人の獲得は一時凍結となった。球団首脳は「FA補強は様子見だ。投手は補強したいが、リーズナブルな選手がいればだが…」と言う。

 戦力外選手といっても、通用しないわけではない。環境が変わって息を吹き返した例はいくつもある。小林雅、豊田は守護神を務め、経験は豊富。左腕の加藤も横浜の2年間で計80試合を投げた実績がある。主戦場が投手有利の甲子園となり、来季から統一球導入で飛距離が落ちれば、十分に中継ぎを託すことはできるはずだ。

 来季で3年目を迎える真弓阪神は、打線はある程度計算が立つ。走塁や守備は秋季キャンプで徹底的に若手を鍛えて、底上げを目指している。投手力さえアップすれば、悲願のV奪還はグッと近づく。戦力外選手の獲得は1人か2人となる見込み。ブルペンの層を分厚くして、弱点を少しでも埋めていく。

 [2010年11月9日10時58分

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