プロ野球コンベンションが18日、都内で開催され、パ・リーグの新人王には今季、主に中継ぎながら10勝を挙げた日本ハムの2年目、榊原諒投手(25)が選ばれた。

 緊急登板で何度もチームを救ってきた日本ハム榊原に、まばゆいスポットライトが降り注いだ。球団では06年八木以来となる新人王受賞。「こういう日がくるとは思っていなかったので、うれしいです。1試合1試合全力で投げた結果が数字につながったと思います」。生涯1度しか取ることのできないタイトルの味を、かみしめた。

 2年目の今季は、6月15日ヤクルト戦に2番手で登板し、プロ初勝利をマーク。以降、すべて中継ぎで10勝(1敗)を挙げ、防御率2・63と安定していた。先発投手が早期降板した際には必ずマウンドに上がり、ついた呼び名が「ミスタースクランブル」。出番が把握できず、調整も難しかったが「チームに必要とされるところで投げられればいいと思っていました」。好投で流れを呼び込んで逆転劇につなげ、チームのラッキーボーイとなった。

 所属していた三菱自動車岡崎が休部となり、関西国際大へ入り直してプロへ進んだ苦労人。「プロという夢をあきらめないでやってきた結果だと思います。その気持ちは忘れずにいきたい」。プロを目指して汗を流すアマ野球の選手たちにも、大きな希望を与えた。

 来月12日には、昨オフに結婚したえり夫人(24)との挙式も控えている。「奥さんのために頑張ろうとも思いましたし、力になりました」。休みなく体を酷使したシーズン。だがその先には、最高に幸せなオフが待っていた。【本間翼】

 [2010年11月19日11時10分

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