40歳現役も、2000本安打も、全面バックアップだ-。中日が主砲・和田一浩外野手(38)に複数年契約を提示する方針であることが22日、分かった。年齢を感じさせない活躍で今季のリーグMVPを獲得し、チームを優勝に導いた和田に対し、近日中にも行われる契約交渉で最大3年の複数年契約を提示する見込み。主砲に最大限の誠意を示す。

 今季で契約が切れる和田に、球団側が最大限の誠意を示す。07年オフに西武からFA宣言し、中日と3年契約を結んだ和田は契約最終年の今季、打率3割3分9厘、37本塁打、93打点で最優秀選手に輝いた。現在、最高の右打者とも言われる主砲の重要性を球団幹部はこう説明した。

 「あれだけの選手だからね。当然、複数年を考えることになる。うちにとっては絶対に必要な戦力だから。年齢は38歳だけど、どんどん進化しているわけだから心配はしていない」

 高い評価は複数年契約に表れている。和田は来季39歳を迎える。通常ならば、選手としては下り坂を迎える年齢だが、FA移籍した08年から1年ごとに打撃改造に取り組んで成績を向上させてきた。

 今季に至っては37本塁打は自己最多、打率3割3分9厘は自己2位とプロ14年でベストといえる成績を残した。6月からは不振のブランコに代わって4番を務め、自打球で左足を骨折した8月以降も足を引きずりながらも試合に出場し続けるなどチームの精神的支柱となった。

 「40歳が近いとは言っても、毎年、成績を上げているわけだから。こちらとしては、まだまだ進化してくれると思っている。普通の40歳とは違うよ」

 球団幹部は複数年契約を提示することにまったく不安を抱いていなかった。和田との契約交渉は近日中にも行われる見込みだが、球団側は最大で3年契約も検討しているという。そうなれば41歳での現役が保障される上に、あと残り484本となっている通算2000本安打達成も見えてくる。

 また、今季の推定年俸2億8000万円からの大幅アップも確実。球団のおひざ元である岐阜県出身の和田は、中日で現役生活を終える覚悟を示しており、そうした本人の気持ちにも応える条件提示になりそうだ。

 落合竜は来季、球団史上初のリーグ連覇、そして今季果たせなかった日本シリーズと合わせての完全制覇を狙う。その構想の中で、和田は絶対不可欠な存在だ。年齢をまったく感じさせない活躍でチームをリーグ優勝に導いた主砲に球団が最大限の誠意を示す。

 [2010年11月23日10時37分

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