巨人がセス・グライシンガー投手(35)と来季も残留する方向で契約交渉を続けていることが27日、分かった。今季未勝利に終わりV逸の一因となった右腕の残留は厳しいとみられていたが、ここにきて事態は急展開。今月中の合意を目指し、両者で前向きな話し合いを行っていることが判明した。

 4年ぶりにリーグ優勝を逃したチームは今オフ、高額な年俸に見合う働きが見られなかった外国人選手を放出する方針を決定。今月中旬にクルーン、李承■、エドガーとの交渉を打ち切った。しかし、今季未勝利に終わったグライシンガーとは、再契約の準備を進めている。

 球団は07年の来日から3年連続で2ケタ勝利を挙げ、最多勝のタイトルを2度獲得した実績を評価。昨オフに手術した右ひじの不安が消えて万全のコンディションで臨めば、先発ローテの一角を担う力は十分にあるとみている。グライシンガーも残留を希望しており、30日の独占交渉期限までに合意に達する可能性は高まっている。

 グライシンガーの残留が決まれば、巨人の“外国人戦争”は史上最大規模の激しいものになりそうだ。球団は「2軍落ち拒否権」などの特権を来季から認めない方針。ジョナサン・アルバラデホ投手(28=前ヤンキース)やカルロス・トーレス投手(28=前ホワイトソックス)ら新戦力も含め、キャンプから全員横一線のスタートで、最大で3つしかない1軍投手枠を争う。※■は火ヘンに華

 [2010年11月28日7時32分

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