巨人原辰徳監督(52)が12月31日、今季のチームスローガンを「結束」としたことを明かした。昨季は「原点」だったが、4連覇を逃した反省を踏まえて変更した。ロッテの西村監督が「和」をモットーに日本一に輝いたように、今季の巨人は選手が勝利のために一丸となって王座奪回を目指す。

 原監督は02年の最初の監督就任以来「Show

 the

 Spirit」を大方針とし、サブタイトルを付けてきた。リーグ4連覇を目指した昨季は「原点」だったが、3位に終わったことで改めて原点を見つめ直した。「『原点』に返り切れなかった反省点を考えました。反省しなければいけない部分は何か?

 原点に返るためには、何を強く心に抱いて戦えばいいのか?

 そうやって考え、選んだのが『結束』という言葉でした」と話した。

 小笠原、ラミレス、阿部のベテラン3人がどっしりと構える昨季のクリーンアップの破壊力は球界随一だった。その一方で、原監督の目には若手のプレーが物足りなく映った。「慎之助、ラミ、ガッツのクリーンアップに頼っている。3人が打てばチームは優位に立てるけど、打てなければ劣勢になる。まだまだあの3人に依存しているということ」と振り返る。

 中日や阪神に勝つためにはチーム構造を変える必要がある。坂本、亀井、長野、松本…。高い潜在能力を秘めた若武者たちがベテランと共鳴し合って1つになる必要がある。原監督は「3人に依存したままではいけない。先頭に立って引っ張っていく彼らと同じ位置まで上がってくる選手がどれだけ出てくるか」と、言葉に力を込めた。

 「結束」という言葉は、アマチュア時代から心に刻まれた言葉でもある。「高校、大学と父親が監督を務めるチームで戦いましたけど、そこでチームが大事にしていた言葉に『和』というものがあったんです」。「結束」は原監督にとって「原点」でもある。

 「能力の高い選手たちが、チームの『和』を大切にし、自己を犠牲にするようなプレーや行動をとってくれれば、勝率は、もっと上がるはず。ジャイアンツは『結束』を合言葉に優勝を目指します!」。高らかな宣言で、V奪回の年が明けた。

 [2011年1月1日8時6分

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