日本ハム・ダルビッシュ有投手(24)が12日、球団史上初の5年連続の開幕投手に内定した。この日、千葉・鎌ケ谷で梨田監督ら首脳陣が出席して、新体制で初のスタッフ会議を開催。今後のキャンプなどで調整が順調であれば、今季のスタートとなる3月25日西武戦(札幌ドーム)で大役を任せる方向性を固めた。球界最高峰の5億円エースが、V奪回を期すシーズンに弾みをつける。

 誰も異論の余地がない、大仕事を託されることになった。「佑ちゃんフィーバー」で沸いた新人合同自主トレ初日のこの日、投手陣の真打ち、もう1人の「有ちゃん」も晴れの日を迎えた。梨田監督を筆頭にした11年の新体制のコーチ陣が集結し、キャンプやシーズン方針などを話し合う初のスタッフ会議で、ダルビッシュに開幕投手を任せる方向性が、全員一致で固まったもようだ。

 名実ともに球団史に名を刻むことになった。入団3年目の07年に初めて開幕投手の座に指名して以来、途切れることなく今季も任命することを確認。ダルビッシュは「体も一回り大きくなった」とこのオフを順調に過ごしている。このままキャンプなども順調に消化して照準が合えば、88年~91年までの4年連続開幕投手を務めた西崎と自身の持つ球団記録を抜くことになった。

 昨季は12勝8敗。チームトップは14勝の武田勝に譲ったが、過去の実績なども評価して、今季もダルビッシュに落ち着くことになったようだ。今月6日には現時点での球界最高となる年俸5億円で契約を更改。このオフにはメジャー移籍騒動などもあったが「すっきりとしたし、球団の評価に感謝している。また頑張ろうという気持ちになった」と切り替え、チーム貢献を誓っていた。今季にかける熱い思いを体現するには、ふさわしいスタートラインになる。

 注目新人の誕生で熱気十分の日本ハムだが、大黒柱をしっかりと今季の軸に据えた。昨季は開幕ダッシュに失敗しただけに、梨田監督も「今年は初めから同じようにはしないようにしたい」と話していた序盤の最大の要所が、早くも固まった。24歳の大エースの開幕快投を最大の追い風にし、2年ぶりのパ・リーグのペナント奪還を狙う。

 [2011年1月13日11時12分

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