沖縄の地で若竜サバイバルが幕を開けた。森繁和ヘッドコーチ(56)が28日、キャンプ1軍スタートの選手が自主トレをする沖縄・北谷球場を視察した。ブルペンやノックなどを鋭い眼光で見つめた竜の名参謀は、若手投手陣にも開幕1軍入りのチャンスがあると明言した。

 「2年目だろうが、3年目だろうが関係ない。ここ(北谷)にいるやつらは全員、(開幕1軍の)可能性はある」。

 実際に今回のキャンプでは若手投手が1軍に抜てきされた。4年目山内、3年目岩田、伊藤と昨季の「プロ初勝利組」に加え、プロのマウンドを踏んでいない3年目小熊、2年目岡田、小川の3人が1軍スタート。20歳以下の投手が4人も1軍キャンプでスタートすることは04年以降の落合政権下でも初めてのことだ。

 投手王国の基盤を築くための重要なキャンプになる。今季は右の大黒柱吉見が右肘手術の影響で出遅れ。吉見と左右の両輪を成すチェンも将来、メジャー挑戦する可能性は高い。12球団屈指の投手陣を育成してきた森ヘッドは「今回のキャンプは若い選手をできるだけ見る」と投手陣の底上げを課題に置いていた。

 もちろん若手にとっては大きなチャンスだ。岡田は「キャンプに入ればみんなライバル。すぐに読谷(2軍)に行かないように頑張りたい」。この日、ブルペンで43球を投げた小熊も「開幕1軍が目標」と目を光らせた。生きるか死ぬか-。若竜の生き残りをかけた戦いは、キャンプ前から始まっている。【桝井聡】

 [2011年1月29日13時3分

 紙面から]ソーシャルブックマーク