虎のKKコンビ初結成!

 阪神小林宏投手(32)が1月31日、藤川球児投手(30)と沖縄・宜野座球場で自主トレに励んだ。キャンプイン前日の休日を返上し、3時間30分の本格的なメニュー。以前から親交のあった守護神と2人の時間を堪能し、今日2月1日、気合十分で縦じまユニホームを身にまとう。

 沖縄は曇り空。午前11時5分、小林宏と藤川は並んでランニングを開始した。2人だけのロードワーク。宜野座球場を左手に見ながら、時には笑顔、時には真剣な表情で言葉を交わす。キャンプイン前日にまさかの豪華な初競演だ。

 小林宏

 「明日、一緒にやろう」と僕から言った。楽しくできた。全部一緒のメニューをやった訳ではないけど、良い練習ができましたね。

 06年WBCでともに世界一メンバーになった。電話連絡も食事もする。以前から親交のあった2人が、早くもタッグ結成だ。小林宏は前日1月30日に沖縄入り。その夜、球児と食事を共にし、合同トレを提案した。午前11時に宜野座球場へ到着し、29分間のロードワークを開始。「全然、雑談ですよ」とはぐらかしたが、ランニング中には球場やキャンプメニューについての会話もあった。

 続いて小林宏が球児の胸に白球を投げ込み、キャッチボールがスタート。「このままでいい?

 下がった方がいい?」(小林宏)「これぐらいでいいですよ!」(球児)。最長約40メートルまで距離を伸ばし、36球ずつを投げ合った。その後は2人並んで交互に投球。小林宏は計101球。フォーク、カーブ、チェンジアップ、スライダーも投じ、順調な仕上がりを披露した。

 午後1時以降は下半身強化。50メートルの急な坂を競い合うように5本駆け上がった。サブ球場に移動。100メートルダッシュ5本。さらには50メートルダッシュを球児が9本、小林宏が7本、30メートルダッシュを球児が14本、小林宏が11本。とにかく走り続けた。最後は約40分のウエートトレで、全メニューを終了。キャンプイン前日に、異例といえる3時間30分の本格メニューだった。

 小林宏

 毎年、(キャンプインの)前日はあまりやらないんですが、昨日休んだんで。14年やってきたので、そこまで変化はないですよ。

 端正な顔立ちを崩すことなく、涼しげに言うのが頼もしい。選手宿舎で行われた全体ミーティングでは首脳陣、ナインの前で「よろしくお願いします」とあいさつ。「普通に。ひと言だけ」と照れ笑いし、いよいよ虎戦士に変身する。

 役割は球児の前の「8回の男」。06年WBC第1ラウンド台湾戦で披露した小林宏→球児のリレーが待ち遠しい。守護神との結束を深め、エネルギー充填(じゅうてん)は完了。今日2月1日はブルペン投球の予定だ。KKコンビといえば清原和博&桑田真澄だが、虎のKKコンビもキャンプインを前に1つになった。【佐井陽介】

 [2011年2月1日12時5分

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