日本ハム斎藤佑樹投手(22)が「先発型佑ちゃん」に変身する。7日、チームから離れて2軍施設のある千葉・鎌ケ谷へ移動した。鎌ケ谷では、初先発が予定される13日横浜戦(横浜)に向けて芝草投手コーチも同行し、万全のサポート態勢で調整をする。6日の巨人戦(札幌ドーム)までは打たれて勉強することを念頭に置いて投げていたが、開幕ローテ入りが当確となり、無失点継続に意欲を見せた。いよいよ本番モードに入る。

 球界屈指の巨人打線を翻弄(ほんろう)し、オープン戦とはいえ“プロ初勝利”を挙げた余韻に浸る間もなく、斎藤は空路、北海道から千葉・鎌ケ谷へと向かった。「肩は全然張ってないです」。巨人戦では3番手として登板し3回を2安打無失点。坂本、ラミレス、阿部、高橋ら主力が並ぶ強力打線と対戦した疲れを感じさせない。幼い頃から「一番よく見てきた」という高橋から空振りを奪い「出来過ぎじゃねーかと思いました」と、野球少年のように無邪気に喜びながらも、知的な22歳は次の課題を考えていた。

 オリックスと京セラドーム大阪でオープン戦を行うチームから離れ、今日からは新人合同自主トレ以来、約1カ月ぶりとなる鎌ケ谷で、先発投手の調整を行う。次回登板予定は中6日となる13日の横浜戦。実戦で初めて先発マウンドに上がる予定だ。これまではすべて救援投手として登板してきたため登板間隔も短く、中継ぎ投手としての練習メニューをこなしてきたが、8日からは先発投手ならではの練習が用意されている。

 「2度ほどブルペンに入ると思うので、スライダーとストレートを確認したい」。先発と救援では、投げ込みの回数だけでなく、ラン系のメニューも大きく異なるが「ダルビッシュさんに教わっているので、ある程度は分かっています」。ラン系なら登板直後は長い距離を走り、その後瞬発系に移行するのが一般的だが、そうしたさまざまな調整メニューの中から、登板間隔を考慮し、斎藤に最適なものを見つけ出すことになりそうだ。

 鎌ケ谷での練習には、ダルビッシュだけでなく、芝草投手コーチもチームを離れて参加。芝草投手コーチは「まだ1年目だし分からないことが出てくるかもしれない。しっかりとコミュニケーションを取りたい」と、万全の態勢で黄金ルーキーをサポートする方針だ。

 開幕前とはいえ、実戦4試合で7回を無失点と連続イニング無失点を継続中。斎藤は「開幕が近いのでアピールしないといけないし、点を取られないようにしたい。オープン戦とでは、バッターも変わってくると聞いているので(無失点を続けているとはいえ)安心はできないです」。最終目標はもちろん、シーズンを通して先発ローテーションを守ること。そのためにも、プロのスタートを切った原点の地で、未来のエースとしてのノウハウを習得する。【中島宙恵】