日本ハムは休日だった11日の東北地方太平洋沖地震発生時、宿泊していた東京都内ホテルから一時、避難した。巨大なホテルがぐらぐらと大きく横に揺れてから数分後、息を切らせた選手たちが次々とホテルの外に飛び出していった。チームが宿泊していたのは25階以上の高層階。エレベーターはすべて止まり、非常階段を駆け降りてきた。

 中田翔内野手(21)は「死ぬかと思った。部屋に戻りたくない」と恐怖で顔をこわばらせた。慌てて避難したため、靴の中ははだしだった。稲葉篤紀外野手(38)は入浴中に強い揺れを感じた。急いで服に着替えて非常階段を下りた。額に汗を浮かべながら「クロゼットの扉が閉じたり開いたりしていた」。エレベーターの復旧に4~5時間ほどかかったため、選手らは別室で待機した。

 ホテルには関東圏に自宅のない1軍選手だけが宿泊していた。休日のため外出していた選手も多く、チーム関係者は全員の安否確認に奔走。地震の際、外に出ていたルーキー斎藤佑樹投手(22=早大)の無事も確認した。外出中だった梨田昌孝監督(57)は「立っていられなくてガードレールをつかんだけど、それも揺れている感じだった。大変な被害が出ている地域もあると聞いたし、野球どころじゃないね」と表情を曇らせていた。【中島宙恵】