セ・リーグが3月29日に延期した今季開幕日、および4月中の東京ドーム、神宮、横浜でのナイター開催について、再考する可能性が出てきた。日本プロ野球組織(NPB)の加藤良三コミッショナー、労組プロ野球選手会の阪神新井貴浩内野手らが22日、都内に高木義明文部科学相、蓮舫節電啓発担当相らを訪ね、東京電力と東北電力管内でのナイター自粛を要請された。

 東京ドームの広報IR室は「(プロ野球開催の)自粛の声があるのは重々知っていますが、主催者である読売巨人軍さんと協力して、精いっぱい節電した中で、やらせていただきたい」とコメントした。現在、球場に隣接している遊園地が事故の影響で営業を自粛中。ドーム本体までもが野球開催できないとなると死活問題ともいえる。野球以外にも4月9日と10日に東方神起、少女時代らが出演するライブ「SMタウン」があり、11日には「東京リアル脱出ゲーム」、27日からはアニメ・ワンピースとコラボしたイベントが入っている。

 ◆東京ドームの消費電力量◆

 ナイター開催日の消費電力量は、周辺のテナントなども含めると5万~6万キロワット時になるという。一般家庭の使用量に換算すると、約4000世帯分の電力消費になる。19日に巨人と東京ドームは連名で、当面の独自の節電策を発表。試合開催時は約4万キロワット時の電力を使用していることを明かし、「節電によって使用量を現在より40%程度減らせる見通し」としていた。