日本ハムのドラフト1位斎藤佑樹投手(22)が、公式戦デビュー予定の17日ロッテ戦(札幌ドーム)へ向け、「星野式ロッテ攻略法」で“予習”を完了した。試合のなかった14日は、札幌市内の合宿所で静養にあてたが、この日までに、開幕からロッテに2連勝した楽天投手陣の配球をチェック。プロ初登板初勝利へのイメージをふくらませた。

 デビュー戦の“注意事項”がテレビ画面の先にあった。日本ハム斎藤が、注目のプロ初先発へ、対するロッテ打線の下調べを終えた。全体練習が休日だったこの日までに、ロッテと激突した星野楽天の開幕カードの戦況を確認。完全休養で体は休ませたが、頭の中は3日後のマウンドに向かっていた。

 シーズンが開幕し、プロの恐ろしさを目の当たりにした。ロッテにはオープン戦、練習試合で2度対戦し、6回3安打1失点(自責点0)。だが、12日のロッテ-楽天の開幕戦(QVC)をテレビで見た斎藤は「オープン戦や練習試合とは全然違う。打者のバットが振れている。みんな必死ですね」とプロの打者の変貌ぶりに仰天。しかし、そんな相手を最後は封じ込めた楽天投手の戦いぶりを参考にするつもりだ。

 警戒するのは2本のアーチを放っている福浦と、昨季は故障で46試合の出場ながら25盗塁の荻野貴だ。特に荻野は開幕戦でも盗塁を決め、あっさりと先制点につなげているやっかいなクセ者。前回3月27日の対決で出塁を許さなかった斎藤にとって、荻野の「足」は未知数。先月2日のヤクルトとのオープン戦(札幌ドーム)でボークをとられてから、けん制やクイックモーションの確認に力を入れてきただけに、練習の成果を披露する絶好の機会ともなる。

 1軍デビューが近づくにつれ実戦で打ち込まれることが多くなったが、開き直るつもりはない。「結果を残した人なら(開き直ると)言えると思うけど、自分はまだ1勝もしていない。まずは1勝を必死で取りに行きたい」。逃げずに課題を修正し、真正面からぶつかる。【中島宙恵】