<楽天3-5日本ハム>◇24日◇ほっともっと神戸

 楽天は一夜で勝率5割に戻った。2回に山崎武司内野手(42)、ランディー・ルイーズ内野手(33)のソロで同点。先行された流れを序盤で取り戻したが、斎藤をつかまえきれない。4、5回と1死一、二塁の好機をつくったが、ボールゾーンへ低く沈むツーシーム、スライダーを追いかけ、22歳の老かいな投球術にはまった。だが星野仙一監督(64)にしてみれば「同じリプレーを見ているようだ。優しいというか…。優しさは、いいかげんにして欲しい」。斎藤の投球に屈したのではなく、1本が出ない自軍の力量そのものに敗因を見た。

 「必ず貯金をして仙台に帰る」と約束した4月29日の本拠地初戦まで、26日からの西武2連戦に必勝を期す。星野監督は「何とかして5割以上で帰りたい。選手たちに、そういう気持ちはあるか。あるのであれば、昨日のサヨナラ勝ちの勢いがつながってくるはずだ」と、あらためてハッパをかけた。酷な環境であるのは承知で高いハードルを課した。思案の末、あえて口にした目標だった。

 星野監督

 遠い目標と近い目標、2種類ある。イメージできる近い目標があれば、そこを目指してひと踏ん張りできる。選手たちはもちろん、オレ自身もな。

 球速に比例し腕の振りが緩んだ先発戸村を、2回で見切った。21日に先発したばかりの青山をベンチに入れ、4回からブルペンで準備させた。2点を追いかける6回無死一塁の場面では空振りの確率が極めて低い高須を信じ、一塁走者の山崎を動かしたが三振ゲッツーに終わった。この日同様なりふり構わず、連勝で帰還する。【宮下敬至】