<日本ハム2-4ソフトバンク>◇8日◇札幌ドーム

 「時間の読み」が、勝負のあやだった。9回2死一、三塁。試合開始からは3時間20分をまわっていた。最大のピンチを乗り切れば、負けはなくなる状況。日本ハム梨田昌孝監督(57)は「時間との闘いというところだった」と、見えない敵との神経戦を振り返る。“制限時間”は目前。今季まだ失点のなかった増井浩俊投手(26)が、小久保に右中間を破られた。

 斎藤佑樹投手(22)がアクシデントで1回に降板しながら、必死の継投でたすきをつないだ。迎えた同点の9回。増井を今季初めて2イニング目のマウンドに送った。この時点で残り20分弱。指揮官は「時間との競争だけど、順調にいくともう1回行ってくれないか…と。10回までを考えるとね」。ブルペンに残っていたのは武田久と谷元。3者凡退で終われば延長戦に突入する可能性も十分にあり、前日7日も27球を投げていた増井に、託した。

 先頭の川崎を四球で歩かせると、2死までこぎ着けながら、最後は小久保に決勝打を許した。今季初黒星の増井は「先頭の四球がダメでした。(イニングまたぎの)違和感はなかったし、強い球もいっていたんですけど」と反省した。

 開幕の西武2連戦以来となるカード負け越しで、再びソフトバンクに並ばれた。梨田監督は「3つ負けなかっただけマシ。アクシデントの中で、みんなよう頑張ってくれた」と選手をねぎらった。明日からは楽天3連戦(Kスタ宮城)。「時間」はすぐに、挽回のチャンスを与えてくれる。【本間翼】