<オリックス2-0阪神>◇18日◇京セラドーム大阪

 痛い、痛すぎますわ…。阪神平野恵一内野手(32)が1回、先制点を狙って本塁突入し、好返球に阻まれタッチアウト。捕手と交錯した際に左太ももを痛め、そのまま退いた。遊撃鳥谷が右手人さし指の爪を痛めて守備につけない中、新たな頭痛のタネだ。今後は不透明。苦戦が予想される交流戦、二遊間がほころんだままで大丈夫?

 プレーボールからわずか2球で暗転した。初回先頭の平野が初球打ちで無死二塁。2番上本がフィガロの直球を中前に運んで、三塁の山脇守備走塁コーチが本塁突入を指示した。しかし坂口の好返球で、平野は本塁タッチアウトとなった。

 真弓監督

 セーフになると思って回したんだろうけど、アウトになったからね。

 指揮官は振り返ったが、痛手は先制失敗だけではなかった。平野は、捕手鈴木のブロックで左太ももの内側を打撲した。その裏の守備で自ら交代を申し出て、関本と代わった。新オーダーの1番がいきなり負傷交代してベンチ裏で治療。常川チーフトレーナーは「病院に行く予定はない。相手のレガースに挟まったみたい。今後は明日の状態を見て決める」と説明した。

 平野

 常さん(常川チーフトレーナー)の言う通り。歩くことは大丈夫。しっかり治療して試合に出られるようにします。

 試合後は患部にアイシングなどをせず、自力歩行して家路についた。真弓監督は「どんな状態かわかりません。(登録抹消かも)わからない」と話した。

 不動の二遊間に緊急事態だ。15日中日戦では鳥谷が右手人さし指を負傷。スローイング禁止で、この日も3番DHとして3打席に立って途中交代した。真弓監督は「戦力的には守ってもらうのが一番いい」。負担がかからない起用法を模索し、回復を待つしかない。

 平野のけが次第で、二遊間を同時に欠く事態も想定される。代役は遊撃上本、二塁関本になるが、現状ではベンチにバックアップ要員がいない。指揮官は二遊間の補充について「それも考えなあかんかなと思っています」。2軍交流戦で宮崎遠征中のルーキー荒木の昇格が濃厚となったが、厳しい状況であることは間違いない。大和は左肩亜脱臼、坂も右手人さし指骨折でノースロー状態だ。

 この日、敗れたことで借金3に逆戻りとなった。平野は今日19日、甲子園クラブハウスで治療に専念する。和田打撃コーチは「ひねったとかじゃないので、そんなにひどくはないんじゃないか、という報告は受けている」。二遊間を同時に欠けば、大きな戦力ダウンは否めない。まずは平野の症状が軽症であることを祈るしかない。【益田一弘】