阪神の株主はダルビッシュより難敵?

 阪急阪神ホールディングス(HD)の株主総会が16日に大阪市内で行われ、大きく負け越す阪神の現状に、株主の男性2人から監督人事や選手起用に関する厳しい質問が飛んだ。日本ハム・ダルビッシュの連続無失点を止めて快勝するなどチームは上り調子だが、世界一と言われる熱狂的ファンをもつ球団は株主も手厳しかった。

 質疑応答の4人目で、年配の男性がマイクを握った。「球団の基本姿勢、あるべき姿は『強いチームを作ること、最高水準のプレーをお見せする』と言っているが、全然なってないじゃないですか。坂井オーナー、あなたは監督の力量が分からないなら、オーナー職を辞職されてはどうか」。

 右肩痛を抱えて守備力が低下している金本の起用に異を唱え、監督人事やオーナーの進退まで追及した。借金7で4位という現状は、優勝を待ち望む株主として納得いかなかった。

 取締役でもある南信男球団社長(56)は毅然(きぜん)と対応した。「株主さまにまでご心配をおかけして大変申し訳なく思っています。すべてが監督1人の責任ではない。フロントとして編成上の責任もございます」。フロント、現場両面で猛省している姿勢を見せた。

 折しもここ6試合で5勝1敗と立て直しの兆しはうかがえる。株主総会が行われているころ、室内練習場で全体練習に参加した真弓監督も逆襲を宣言。「前半戦までに借金完済か?」と問われ「前半戦というより、1日も早く返していくつもりだ」と語気を強めた。

 チーム成績が上向けば、批判の声も収まる。指揮官にとって回答はひとつ。明日18日からの星野楽天2連戦。交流戦最後のカードで有終フィニッシュを飾り、上位進出を目指すことだけだ。<株主Aの質問要旨>

 真弓監督の続投について、うかがいます。金本選手に限っていえば自打球で2試合出場していませんが、代わる選手が活躍して勝ったのではないかと。あの守備、スローイングは阪神ファンに失礼ではないか。実力のある浅井選手をなぜレギュラーで使わないのか。浅井選手を使っていれば守備だけでも5点は防げた。坂井オーナー、あなたは監督の力量が分からないならオーナー職を辞職されてはどうか。<南球団社長の返答要旨>

 負けが込んでくると監督の采配、ベンチワーク、ベンチのムードがクローズアップされるものですが、すべてが監督1人の責任ではない。フロントとして編成上の責任もございます。個々の選手の起用については、確かに調子がいいものを使うのが基本、原則であると思いますが、貴重な意見として承っておきます。チーム、選手は今シーズン、このまま終わるわけにはいかないと、皆が思っております。