逆転V、まだ間に合う!

 阪神藤川球児投手(30)が17日、甲子園で全体練習に参加し、巻き返しを誓った。今日18日から交流戦ラストカードの楽天2連戦(甲子園)、24日巨人戦(甲子園)からリーグ戦が再開される。一時は首位と9ゲーム差あったが、6・5差まで戻した。救援陣のさらなる奮闘をキーに「まだ、間に合う」と宣言した。

 リーダーならではの激白だ。目先の結果で一喜一憂しない。球児は早くも1カ月、2カ月先を見すえ、まだ行ける、と判断した。ここ6試合は5勝1敗。4位浮上し、3位巨人に0・5差まで迫った。先発陣がロングイニングを投げ、救援陣が持ち場を守る。自身も願う「形」がようやく出来上がりつつある。互いが互いを助け合う手ごたえ、そして、さらなる上積みの必要性を熱く語った。

 藤川

 (交流戦)あと2試合、良い戦いができれば。夏場になってくると日程がタイトになって、先発に頼り切れない。今なら(勝ちパターンは)ヒロさん(小林宏)、榎田と3人。梅雨が明けたら、もう1、2枚いる。福原さんも久保田も渡辺もいる。週の半分ぐらい(救援陣で)拾って行けたら。6連戦がある時に、しっかり(パターンを)形にできれば、まだ間に合う。

 2連勝を飾り、今日18日から交流戦ラストカードの楽天2連戦。もちろん4連勝フィニッシュを狙うが、その先には幾度も難所が待ち受ける。リーグ戦再開後、7月12日巨人戦から9連戦。球宴明けの同26日中日戦から後は、6連戦が続く。開幕から粘投を続けてきた先発陣も、疲労がたまる時期。救援陣のフル回転から、大逆転Vロードを整備する覚悟だ。

 その中心には球児がいる。今季はオフから例年以上の走り込みを続け、土台を強化。18試合登板でリーグ最多タイの13セーブをあげ、防御率0・53と圧巻の成績だ。それでも「今は自分の中で制限をかけながらやっている」と話す。あえて直球のスピードを140キロ台に抑え、変化球とのバランスを重視。慎重に石橋をたたき、勝負に徹しているという。藤川ならではの感覚だ。

 藤川

 できるだけ早く制限を解いて、ビシッと投げたいとは思うんだけど。今は1勝、1敗が大きく左右するし、1つも落とせないから、抑えることを優先している。全然(スピードは)出るけど、仕方ない。かなり(力を)抑えている。150キロを超えるボールは投げようと思えば、投げられますが。

 まだ、リミッターを解除できていない。それはチームも自身も同じ。まだ、勝負どころは訪れる。まだ、間に合う。逆襲劇の台本は、まだ破られてはいない。【佐井陽介】