中日が「森野2世」に照準を合わせた。今秋ドラフトの1位候補に東海大甲府・高橋周平内野手(17)をリストアップしていることが22日、分かった。魅力は何と言っても高校通算67発の長打力。将来、クリーンアップを任せられる逸材としてマークしていく。

 竜のドラ1候補に「森野2世」が急浮上した。最大のセールスポイントはスケールの大きい打撃だ。かつて東海大相模で森野を指導した村中監督が指揮を執る東海大甲府。そこで“超高校級”の名をほしいままにしているのが高橋だ。最後の夏を前にして早くも高校通算67本塁打を記録。中日中田スカウト部長はそのすごさをこう表現した。

 「体が違う。上背がでかいだけでなく、骨格が太い。それでいて技術もある。間違いなく1位で消えるだろう。森野と比べても、高橋の方がスケールがでかい。パワーは間違いなく(高校時代の)森野よりもあるだろう」。

 森野と言えば、今や不動の中軸。96年ドラフト2位指名で東海大相模から入団し、類いまれな打撃センスをじっくりはぐくんだ。プロ9年目の05年には1軍戦士の地位を確立。その森野を上回る逸材となれば、球団が上位候補として注目するのも当然の流れだ。

 そのすごさを物語る伝説がある。180センチ、85キロから放つ打球は高校生レベルをはるかに上回る。打球は同校の右翼側75メートルにある高さ30メートルのネットを軽々と越える。昨秋には近隣に配慮して右翼後方に“高橋ネット”と呼ばれる防護ネットが設置されたのだ。

 長期的展望に立ったドラフト戦略といえる。平田、堂上直ら高卒上位で入団した野手も順調に成長し1軍戦力に加わっている。昨季もドラフト2位でPL学園・吉川を指名するなど、チームの屋台骨を支える可能性がある高卒野手は積極的に指名してきた。「森野2世」はチームの思惑に合致する。竜の黄金時代へ。着々と準備は進んでいる。