<ソフトバンク5-2日本ハム>◇26日◇福岡ヤフードーム

 不名誉な敗戦も、笑い飛ばす余裕があった。球団ワーストの17三振を喫して敗れた日本ハム梨田昌孝監督(57)だが「記録?

 よかったじゃない。いろいろな記録をつくったらいい。記録はそのためにあるんだから。アウト(凡打)も三振も一緒だから」。敗軍の将とは思えないほど、さばさばとしていた。

 制球よくコースを投げ分ける摂津、剛球を投げ込むファルケンボーグ、馬原に翻弄(ほんろう)された。4打席すべてで三振したホフパワーを筆頭に、バットがボールに当たらない。2三振の中田も「(摂津の制球は)ビタビタ決まっていた」と脱帽。指揮官が「もうちょっと中身のあるいいゲームをしたかった」と振り返るほど、攻略は難しかった。

 だが“気持ちよく”負けたことで、試合後のチームには爽快な風すら吹いていた。首位ソフトバンクに3連勝して並ぶことはできなかったが、勝ち越してゲーム差を縮めたことも事実。さらに4回2死一、二塁の場面では、中田が中前適時打を放ち、リーグトップのオリックスTー岡田をぴたりと追走する41打点目を挙げるなど、明るい材料もある。

 中田も「大差で負けていたので少しでも返していきたかった。どうしても1点ほしいところだったので、うれしかった」と、言葉は軽やかだった。

 明日28日からは、16日ぶりに本拠地札幌ドームへ戻ってロッテとの3連戦。中田は「まだまだこれからなので、一生懸命がんばっていくだけ」。正念場はまだまだ先。実りの秋に1年を振り返れば、この日の記録的敗戦も思い出話のネタになる。【本間翼】