<ロッテ3-2オリックス>◇26日◇QVCマリン

 痛すぎる黒星だ。オリックス北川博敏内野手(39)が26日、ロッテ戦(QVCマリン)左アキレスけん断裂で今季絶望の可能性が高まった。衝撃の瞬間は7回。渡辺俊から左翼線へ安打を放った北川は一塁を回って二塁に向かう途中でグラウンドに転げ落ちた。

 「ドンって音がして背骨に電流が走った。その瞬間、切れたと分かった」

 ロッテ一塁手の福浦も「ブチッという音が聞こえた」と証言。正式な診断はまだながら断裂しているもようだ。

 試合後は患部をテーピングで固定し、松葉づえをついて新幹線に乗り込んだ。今日27日にも神戸市内の病院で検査を受ける。井筒チーフトレーナーは「切れているという診断なら手術する可能性がある」と説明。過去の多くの事例で全治6カ月となっており、今季中の実戦復帰は厳しそう。北川は「肉離れは2回あるけど、アキレスけんは初めて。手術なんかな。怖い」とショックを受けながら、普段の明るい性格で「早く戻れるよう頑張る」と気丈だった。

 北川は2月のキャンプで左足腓骨(ひこつ)骨折と肉離れが判明。当初絶望的だった開幕に間に合わせ、主に5番DHで勝負強い打撃で貢献。ムードメーカーでもある男の離脱は痛い。

 この日のロッテは20年前の復刻ユニホームでプレー。試合前の岡田監督は「弱かった時期のやつやなあ」と話していたが、結果は9回の反撃も実らず1点差で負け。しかも、北川の負傷という痛手まで受け、再び貯金ゼロに逆戻りした。【押谷謙爾】