広島ブライアン・バリントン投手(30)とデニス・サファテ投手(30)の来季残留が決定的であることが21日、分かった。バリントンは今季、先発として9勝をマーク。サファテも守護神としてリーグトップの22セーブを挙げる。ともに来日1年目だが、来季の契約更新の権利を持つ球団も好成績を高く評価し、契約を延長する方針だ。

 開幕から獅子奮迅の働きを見せる優良助っ人コンビが、来季も赤ヘル軍団の一員としてプレーする。来日1年目からチームに欠かせない戦力として活躍。バリントンとサファテはともに、今日22日から始まる球宴に監督推薦で出場する。めざましい成績を球団も高く評価。球団首脳は「(プレーに)満足している。(広島に)残るのは当然のことだと考えている」と明言した。

 バリントンは先発の柱として中4日登板もこなすなど、リーグ2位の9勝を積み重ねる。防御率2・06と安定感も抜群で、エース前田健とともにローテーションの「両輪」として働いている。一方のサファテも150キロ超の速球を武器に守護神として君臨。今季71試合でリーグトップの22セーブを挙げ、球団記録(38セーブ、08年永川勝)の更新だけでなく、年間最多記録(46セーブ、05年中日岩瀬、07年阪神藤川)も狙える好ペースだ。打者を圧倒し、防御率1・72の好記録を残す。

 ともに1年契約だが、来季の契約については球団側が更新するかの選択権を持つバイアウト方式。球団首脳が「成績が良ければ(契約が)自動継続になる」と説明するように、資金力による国内外他球団への流出を防ぐ。不調が続く来日4年目のシュルツ、2年目のジオらの去就は今後の登板内容から最終判断されることになりそうだが、まずは2人が12年も広島のユニホームを着る。

 バリントンもサファテも広島に愛着を持っている。本拠地マツダスタジアムに球場入りする際は、2人とも広島市内の自宅から自転車で通勤。ナインにも溶け込んでおり、満足な環境でプレーしている。バリントンが14日に「まだまだ、しばらくは広島でプレーするつもりだよ」と話しているように、来季への意欲も強い。長く下位に低迷するカープに「勝ち癖」をつけるためにも、来年も剛腕コンビが助っ人の本領を発揮する。