<巨人0-1横浜>◇26日◇東京ドーム

 巨人の負の連鎖は後半戦も変わらないのか…。巨人は右足甲の打撲で欠場していたアレックス・ラミレス外野手(36)を3番で復帰させ、4番は長野久義外野手(26)と、打線を組み替えて臨んだ横浜戦に完敗。三塁も踏めぬ貧打を露呈し、今季6度目の完封負けで、5位に転落した。また、13日阪神戦から新守護神に配置転換した東野峻投手(25)が先発に再配置転換したことが分かった。投手の中心選手の配置転換はリスクも当然ある。前半戦から続く“巨人のもがき”にゴールは見えない。

 痛い戦列復帰だった。ラミレスが巨人では初めての「3番・左翼」でスタメン。13日の阪神戦での右足打撲から帰ってきた。ただし、1回は1死二塁で、高めの変化球をポップフライ。6回は1死一塁、カウント2ボール0ストライクから外のスライダーを泳いで二飛。2度の走者を置いた場面での凡退を含む、4打数無安打と散々だった。

 原辰徳監督(53)は「三塁も踏めていないわけだからね。結果、抑え込まれた」と完敗を認めた。予告通りの新打線。原監督は前日25日に「明日はベストの状態でいきます。いろいろ試していく段階ではない。明日のスタメンが中心となって、集大成を迎える」と、新打線を固定したい意向を示した。この日の敗戦後も固定の意向を示し「特に長野のところをね。替えることはなかったということ」と、「4番長野」にこだわった組み替えだったと明かした。

 ヤクルト時代の07年10月9日以来となる3番での出場について、ラミレスは試合前に「周りから見れば大きな差かもしれないが、特に差は感じない。3番はすごく楽しみ。決断を下した監督は素晴らしい」と、意気揚々と話した。ただ、その躍動感は、3番初日の結果につながらなかった。

 もう1つ、原巨人に「動き」があった。新守護神東野の再度の配置転換だ。この日の試合前練習だ。中継ぎ陣とは別に、遠投に比重を置いた練習メニューを行った。ベンチ入りメンバーから外れ、いわゆる「上がり」となり、試合開始後の帰宅を許された。行動パターンは先発投手のもの。前日25日、内海が登録抹消となり、内海が登板予定だった30日のヤクルト戦に、登板することが予想される。原監督は「明日になれば(ベンチ入りメンバーに)入っているかもしれませんよ。今日はリリーフにいなかったということ」と、多くを語らなかった。「配置転換か」という質問にも「言う必要はないでしょう」と明言を避けた。他のコーチもノーコメントを貫いたが、代役守護神は三振の取れる久保をおいていない。

 開幕投手のち守護神のち再び先発…。表面上は軽々しい配置転換に映ると、言わざるを得ない。前半戦から、もがき続ける巨人だが、スマートな後半戦スタートとは、とても言えない1日となった。【金子航】