<広島3-0中日>◇30日◇マツダスタジアム

 オレ竜公開説教だ。中日落合博満監督(57)が、衆人環視のベンチで小田幸平捕手(34)と小山桂司捕手(30)を呼び寄せ、試合中に説教した。森ヘッドコーチも先発伊藤準規投手(20)に、厳しい表情でアドバイス。トップ2が異例の行動に出たが勝ちにつながらず、落合政権8年目でワーストとなるシーズン13度目の完封負けとなった。このままズルズルいくわけにいかない。

 いつもとは違う光景がベンチに広がった。5回裏。落合監督が途中交代した捕手小田を隣に呼び寄せて話し始めた。続く6回の攻撃中には代わってマスクをかぶった小山を呼び同じようにアドバイスを送った。小山には自らスイングする動作を繰り返して身ぶり手ぶりで説明。これまでほとんど見られなかったシーンだった。

 序盤から歯車がかみ合わなかった。チームの3連勝を託された先発の伊藤が、立ち上がりからピリッとしない。2回に4安打を浴びて3失点。守備のミスも連発してチームにはどんよりとしたムードが充満した。

 公開説教に乗り出したのは、落合監督だけでない。4回の攻撃前には森ヘッドがたまらず伊藤を呼び出して懇々と説教。結局、7回までプロ最多となる123球を投げたが、勝利には結びつかず。伊藤は「(森ヘッドには)技術的なことや気持ちの持ち方を言われました…」と肩を落とした。

 試合終了から数分後。ベンチ裏から出てきた落合監督は「オレから何かしゃべらないといけないのか?」とだけ話した。04年から8年目を迎える落合政権下ではワーストとなる13試合目の完封負けだ。森ヘッドは伊藤について「123球も投げたんだから、いいじゃないか」と、収穫を口にしたが、トップ2が異例の行動に出てもチームは波に乗れない。この敗戦を次につなげるしかない。【桝井聡】