ド派手な復帰デモだ。右太もも裏肉離れでリハビリ中の、阪神クレイグ・ブラゼル内野手(31)が12日、鳴尾浜のフリー打撃で推定140メートル弾をぶっ放した。今日13日、ウエスタン・リーグ、ソフトバンク戦で実戦復帰。1軍復帰は17日広島戦(マツダ)が基本線だが、前倒しの可能性もゼロではない。首位ヤクルトと7差で、明日14日にも自力V消滅のピンチ。逆転Vを怪力でけん引してくれ!

 1日でも早い復帰へ。ド迫力のGOサインだ。高く遠く、打球がグングン伸びる。ブラゼルは鳴尾浜のセンター電光掲示板を越す、推定140メートル弾の1発で準備完了を証明した。今日13日、右太もも裏肉離れからの実戦復帰を果たす。

 ブラゼル

 今は75~80%の状態。でもこの時期に100%になるまで待ってはいられない。貢献できるレベルには達していると思う。いつでも呼んでほしい。

 この日はサードでノックを受け、フリー打撃48スイングで6本の柵越え。室内練習場では急なストップやダッシュなど、患部に負担のかかる動きもクリアした。すでにベースランニングも終えており、権田トレーナーは「現状で止めないと(制限しないと)いけない部分はない」と説明。完治とは行かないまでも、B砲は早期復帰を熱望した。

 ブラゼル

 怖さはあるけど完璧な状態を待ってはいられないからね。

 復帰プランは固まった。今日13日、ウエスタン・リーグ、ソフトバンク戦に代打で実戦復帰。翌14、15日の同戦は一塁で先発し、2打席をメドにバットを握る。経過に問題がなければ、17日広島戦で1軍復帰する流れだ。和田打撃コーチは「中途半端に復帰して、また、というのが一番怖い」と説明。実戦復帰して即1軍合流には否定的。しっかり2軍戦3試合を経ての戦線復帰が基本線だ。

 とはいえ、首位ヤクルトに3連敗で7ゲーム差とされ、早ければ明日14日にも自力Vが消滅する非常事態。チーム状況次第では、前倒しで15日中日戦(甲子園)で緊急復帰する可能性もゼロとは言えない。それほど、B砲の存在は大きい。前日11日のヤクルト戦後、盟友マートンから「早くブラゼルが帰ってきて自分たちの戦いがしたい」とラブコールを送られたほどだ。

 ブラゼル

 マートンがそう言ってくれるのはうれしいし、同じ気持ちだ。毎日テレビ中継を見るのは居心地が良くない。1日でも早く戻って、彼と一緒に頑張りたい。ヤクルト戦3連敗は良い気分がしない。

 8月23日巨人戦で患部を負傷。短くはないリハビリ期間を耐えてきた。打率2割8分5厘、チーム2位の10本塁打&48打点。数字だけを見ても、大逆転Vにブラゼルは欠かせない。崖っぷちの虎に、まもなく救世主が現れる。【佐井陽介】