ヤクルトが今秋ドラフトで高校通算71本塁打のスラッガー、東海大甲府(山梨)高橋周平内野手(3年)を1位指名する方針を固めたことが27日、分かった。前日までに編成サイドで意思統一し、この日、鳥原チーフスカウトが小川監督と会談。現場側の意思を最終確認し、将来の4番候補の指名に踏み切ることが決定した。

 10月27日に行われるドラフト1カ月前の決定は、最大限の評価の表れだ。鳥原チーフスカウトは「1位で指名することになりました。最大の魅力は、パワーのあるバッティング。将来の4番として、和製大砲になれる逸材」と説明した。近年、即戦力投手は毎年数人は現れるが、プロで長くレギュラーを張る可能性がある野手は数年に1度しか出てこない。球団に不足する待望の長距離砲として、育成していく方針だ。

 高橋は3年間甲子園出場がない中で、高校日本代表の4番を務めた逸材。今秋ドラフトは東海大・菅野智之投手(4年=東海大相模)、東洋大・藤岡貴裕投手(4年=桐生一)、明大・野村祐輔投手(4年=広陵)の「大学ビッグ3」に指名が集中する見込みで、単独指名になる可能性は十分ある。ヤクルトには同校OBの村中が所属。「恭兵」「周平」コンビが誕生すれば、話題を呼びそうだ。

 ◆高橋周平(たかはし・しゅうへい)1994年(平6)1月18日、神奈川・藤沢市生まれ。小1で投手として野球を始める。中2夏に、湘南クラブボーイズの4番三塁で全国制覇。東海大甲府では1年春に5番、夏から4番に座り、今春から3番。今夏は山梨大会準々決勝で散った。8月末には、甲子園経験がない選手では異例のアジアAAA選手権日本代表に選出され、決勝で先制2ランを放ち、MVPに輝いた。高校通算71本塁打。家族は両親と兄、姉。180センチ、83キロ。右投げ左打ち。