西武渡辺久信監督(46)が来季も続投することが17日、明らかになった。この日のロッテ戦で延長11回の末に引き分け、クライマックスシリーズ(CS)出場権争いは、今日18日の最終戦にもつれ込んだ。ただ、結果にかかわらず球団は続投要請をする方針を固めた。同監督は来季で5年目のシーズンとなる。

 渡辺監督の来季続投が決定的になった。今季が2年契約の最終年。今日18日の最終戦で3位か4位が決まるが、CS出場を逃した場合でも球団は続投要請する方針を固めた。居郷球団社長は監督人事について「トータルで考えます」と話した。就任1年目の08年に優勝した後、3年連続V逸したが、成績だけでなく、指導力や貢献度など働きぶりを評価。引き続きチーム再建のかじ取りを任せる方向で意見が一致し、全日程終了後に正式要請する。

 今季は誤算続きだったが、立て直しの過程で手腕を発揮した。主力の故障トラブルと外国人不振で、7月から2カ月近く最下位に沈んだ。苦しい采配を余儀なくされたなかでも、将来を見据え、浅村や秋山ら若手を積極起用して活性化。交流戦明けにルーキー牧田を課題の抑えに抜てきし、浮上を図った。歯車がかみ合い始めた9月は10連勝するなど巻き返し、最大15あった借金を約1カ月で完済してみせた。

 短所よりも長所を伸ばしてブレークさせた中村を筆頭に、魅力あふれるチームをつくった。強くてもどこか地味だった西武野球のイメージを変え、年々増加する観客動員がファンの絶大な支持を示した。ドラフトでは菊池、大石と6球団が重複した投手を2年連続で引き当てた功績もある。編成トップの前田康介球団本部長(66)は今季限りで退任し、鈴木葉留彦編成部部長(60)が昇格。球団はサポート態勢も見直し、渡辺監督に契約延長を要請する。