横浜の球団売却交渉で、携帯電話向けソーシャルゲームサイト「Mobage(モバゲー)」を運営するディー・エヌ・エー(DeNA、本社=東京・渋谷区)は19日、球団を保有するTBSホールディングス(HD)と交渉中であることを明らかにした。

 楽天の三木谷浩史球団会長(46)が19日、横浜の球団売却問題について「客観的な議論を行うべき」との提言をした。

 売却先の筆頭候補として、DeNAが交渉の最終段階にあるとされる。「DeNA社うんぬん、という問題ではない」と前置きした上で「プロ野球チームは公共的な財産であり、子どもたちの憧れ、夢として、高貴な存在であるべきです。『横浜ベイスターズ』という、素晴らしいチーム名を、どう考えるのかも十分検討しなくてはならない」と述べた。長く本拠地を置き、深く根付いている横浜市を含めた地域のコンセンサス(意見の一致)などを含め、「地域行政はもちろん、国民的な議論があってしかるべき問題」と語った。

 三木谷会長が強調したのは、プロ野球が本来持つべき理念だった。「日本のプロスポーツにおいて、野球は特別な存在だと思う。国民の方々の認識が『そうか、横浜が売却されるんだ。決まったんだ』で終わってしまっては、プロ野球に将来はない」と、危機感を訴えた。「客観的、建設的な議論を尽くした上で、結果がどうなろうと、それならばいいと思う。野球界の将来を真摯(しんし)に考える機会にするべき。現在横浜を保有するTBSも、球団を手放すのであれば、その責任、重さを考えていただきたい。お金だけの問題じゃない」と続けた。

 「あの時もそんなことを考えた」と三木谷会長。7年前に球界参入した当時の理念に立ち返っての提言だった。