オリックスが、ヤンキースとの5年契約が切れた井川慶投手(32)の獲得に乗り出したことが3日、分かった。06年オフにポスティングシステムを活用し、阪神から大リーグに挑戦したが、結果を残せなかった。オフの動向が注目されていたが、オリックスが素早く動いた。岡田彰布監督(53)は「井川は体も丈夫やし、まだまだ投げられるよ」と阪神時代から変わらぬ評価をしている。

 今季、先発左腕は中山1人だけとあり補強ポイントは明確。来季優勝に向けた目玉補強として、すでに水面下での極秘調査も完了している。電話も含め、獲得交渉には岡田監督の出馬も濃厚だ。

 3年後の14年には、オリックス本社が創業50周年を迎える。球団首脳によると、それまでに常勝軍団をつくるというグループを挙げた目標もあるという。まだ32歳の井川はその中核を担える存在で、ぜひ獲得したい戦力。井川の決断が注目される。

 ◆井川慶(いがわ・けい)1979年(昭54)7月13日、茨城県水戸市生まれ。水戸商から97年ドラフト2位指名で阪神入団。03年20勝を挙げて18年ぶりのリーグ優勝に貢献。MVP、沢村賞を獲得。02年から5年連続2桁勝利で05年の優勝にも貢献。阪神9年間の通算成績は86勝60敗1セーブで防御率3・15。06年オフにポスティングでヤンキースへ移籍。だがメジャーでは07年の2勝だけで、今季までほとんどがマイナー生活。186センチ、93キロ。左投げ左打ち。