日本ハムが横浜、巨人をそれぞれ退団するターメル・スレッジ外野手(34)と、マイケル・中村投手(35)の獲得に乗り出すことが1日、分かった。ともに今日2日に公示される保留者名簿から外れており、実現すればスレッジは3年ぶり、マイケルは4年ぶりの古巣復帰となる。ともにリーグ優勝経験を持つ実績十分の投打の核に期待。栗山新監督を迎える来季、3年ぶりリーグ制覇へ向けて大型補強を敢行する。

 栗山新監督での再出発するチームの起爆剤としてスレッジ、マイケルに白羽の矢を立てることになった。スレッジは今季、右足の付け根を痛めるなど95試合の出場にとどまったが、高い経験値を評価。横浜での2年間はDH制がないセ・リーグで外野守備の負担もありながら、計48本塁打を放つなど健在。今季は固定できなかった一塁手としても機能しそうで、パ・リーグなら十分に戦力になると判断した。

 今季は新外国人のホフパワーがシーズン中盤以降から極度の不振。レギュラーに定着できず、迫力不足の打線が終盤の大失速の原因の1つになった。スレッジの獲得成功ならば中軸の候補で3番糸井、4番中田の後を受ける5番の有力候補で、強力な打線を形成できることになりそう。栗山新監督で来季は出場機会が増えそうなホフパワーも本領発揮できれば、大幅な得点力アップが期待できる。

 日本人選手登録のマイケルは、トレード移籍した09年からの巨人での3年間は厚い中継ぎの1軍枠に割って入れなかった。日本ハムでは06年から3年間、守護神に定着。同年の44年ぶり日本一、翌07年の球団史上初のリーグ連覇に貢献した功労者。このオフに横浜入りが確実な林と菊地が抜け、若返りを図るリリーフ陣の中では貴重なベテランで、再起への思いも強い。

 スレッジ、マイケルともに、いまだ北海道のファンからの人気、支持も高く、野球に対する姿勢も真摯(しんし)な優良助っ人の復帰待望論は、根強かった。他球団と争奪戦になる可能性はあるが、周囲の関係者によれば、ともに古巣に好印象を抱いており交渉はスムーズに進むことになりそう。近日中にスレッジ、マイケルの両獲りが正式決定する可能性は極めて高い。新生日本ハムの本気度を証明する戦闘態勢が、着々と整いつつある。