首脳陣全員が「巡回コーチ」になる。日本ハム栗山英樹監督(50)が6日、来春の沖縄・名護キャンプで、自らはもちろん1軍コーチ全員に2軍キャンプ地(同・国頭村)訪問を義務付ける考えを明かした。ファームで汗を流す若手選手の報告を情報として聞くだけではなく、実際に足を運んで対話し状態をチェックする。新指揮官はこの日、安平町で少年野球教室を行った。

 日本ハムが1、2軍の垣根を取っ払う。栗山新監督のチーム改革は、首脳陣にも及ぶ。来春のキャンプで監督、コーチが2カ所の練習場を行ったり来たりすることになりそうだ。「僕の動きは激しくなるよ。もちろん2軍にも行きます。(コーチ陣も)動ける人間は動いてもらう。コーチも(選手の状態を)把握した方がいいから」。コーチ全員に、車で約45分の距離にある1軍キャンプ地の沖縄・名護と2軍の国頭村を巡回することを求める。

 対話重視の栗山監督らしいアイデアだ。チームではパソコンを使い、1、2軍全選手の状態を全首脳陣が共有している。1軍のキャンプ地では、2軍からの報告を受けて昇格などを検討するのがこれまでの一般的な流れだった。だが、新指揮官は「人間って直接、話をしないと。絶対に話をした方がいい。選手も言いたいことを伝えられると思う」と言う。パソコン画面上の情報だけでは分からない、選手の考えや心境を聞くため、コーチを1、2軍関係なく動かす考えだ。

 さらに、直接の指導は禁じられている1月中の自主トレに関しても、時間があれば2軍施設の千葉・鎌ケ谷に足を運んで、遠巻きに状態をチェックするつもりでいる。主力選手の中には九州などの遠隔地や、米ハワイなど海外で体をつくる選手もいるが「誰か(関係者)を通して何をしているのかは確認したい。把握したいと思っています」。チームを優勝へ向けて進めていくために、常に1人1人と向き合っていく。【本間翼】<栗山流アラカルト>

 

 

 

 

 ◆レギュラー白紙

 監督就任要請を正式に受諾した11月3日、「先入観はすべて消す」と話し、主力の定位置を確約しない考えを示した。

 ◆エンターテインメント野球

 同9日に札幌市内で行われた就任会見で「見ていてワクワクするような、そういうものに向かっていきたい」。

 ◆全員面談

 同11日に2軍施設のある千葉・鎌ケ谷で選手と初対面し、対話重視の考えのもと、個人面談をスタートさせた。

 ◆即実戦指令

 11月の秋季練習中に、来春のキャンプでは第2クール初日から紅白戦を組み込む方針を明かし、ベテランも区別なく全員出場を要望。