120打点いけたのに…。阪神新井貴浩内野手(34)が14日、今季打点が120に到達しなかったことを悔やしがった。ABCラジオ「スポーツにぴたっと。」に生出演。打点王を取りながらも「全然、納得いかない」と4番としての責任感をにじませた。

 「今年の1、2、3番だったら、鳥谷が最高出塁なわけだし、110から120は挙げないといけなかった」

 今季は93打点で、自身初の打点王に輝いた。だが、周囲も、自身も満足いく結果とはいかず、厳しい目を向けられた。マートン、平野、鳥谷とリーグの打率5傑に入る3人がチャンスメーク。中でも、3番を打った鳥谷は、リーグ最高の出塁率3割9分5厘を記録した。4番の新井にとっては、09年にマークした自己ベストの112打点を超える環境は整っていた。

 開幕を4番で迎えながら2度の4番剥奪を経験。頼れる4番像を築くために、打点の「質」にこだわっていく。

 「一概に数字だけが基準じゃない。93打点でも、優勝して、納得する場面で打てたらヨッシャと思う。質のいい打点を挙げるには、接戦だし、良いピッチャー、良いセットアッパーが投げる。簡単にはいかない」

 統一球の導入で接戦が急増した。試合終盤で好投手を打つことが、4番の価値を高める。得点圏打率3割5厘でも「合格」と言われないのが、阪神の4番だ。

 「周りは打って当然と思っているし、その中で当然の結果を残せるようにしたい」

 マートンも残留し、来季も強力な1、2、3番が機能する可能性は高い。チームの顔が、真の4番像を追い求める。