能見、さすガっス!

 阪神能見篤史投手(32)が26日、正月限定で大阪ガスのCMに起用されることが分かった。今季は初の開幕投手を務め、チームトップタイの12勝をマーク。虎の顔としての活躍を、プロ入り前に所属した同社に認められた。女優上戸彩(26)、水野真紀(41)との“共演”で、お茶の間に笑顔を振りまく…?

 一流の証しを、また一つ手に入れた。能見が正月から「登板」する。社会人時代を過ごした大阪ガスから、CM出演のオファーが舞い込んだ。上戸彩が「♪さすガっス、さすガっス-」と歌っているバージョンが知られているが、左腕が出演するのは来年の1月1日から10日間、関西地区限定バージョン。今季は初の開幕投手を務め、チームトップタイの12勝をマーク。名実ともにチームの顔となったことを認められた。

 同社の担当者は「大阪ガスに縁がある人を探したら、能見さんの名前が挙がりました」と説明。撮影も完了しており「オファーしたところ、快く受けていただきました。撮影前は、緊張していたようですが、撮影はスムーズに行ったようです」と話した。

 今回のシリーズでは、09年からイメージキャラクターを務める上戸彩、女優の水野真紀らも登場する。北京五輪の男子400メートルリレーで銅メダルを獲得した同社所属の朝原宣浩氏も出演するという。撮影はシーズン終了後の、11月中に行われた。マウンド同様に、本番では「勝負強さ」を見せたようだ。ユニホーム姿で、環境に優しい天然ガス利用をPRする内容になっている。

 大阪ガス野球部OBが、同社のCMに起用されるのは史上初だ。今でこそチームの顔となったが、野球人生でドン底を見たのが社会人時代だった。鳥取城北時代に水戸商・井川(前ヤンキース、FA)、平安・川口(元オリックス)と並ぶ「高校左腕3羽がらす」と騒がれたが、入社後は肩、肘の故障で5年間はまともな投球ができなかった。プロ入りまで7年間を過ごした「原点」に愛着がある。例年、シーズン中でも都市対抗野球大会前には差し入れを持って激励に訪れ、オフにはゴルフコンペにも参加していた。

 すっきりした新年を迎えるために、能見は今日27日に2度目の契約交渉に臨む。初の200イニング登板を達成したタフネス左腕が最高評価を手にし、2012年もスタートダッシュを決める。

 ◆今オフの能見

 21日に契約更改交渉に臨み、4500万円増の年俸1億円(推定)を保留。チームトップの200イニング(200回1/3)を投げたことへの評価が不十分とし、倍増を求めている模様だ。今日27日の第2回交渉で合意できなければ越年の見込み。「期限は考えていない」と、自費キャンプ突入の覚悟も示している。一方で防御率2・52に満足しておらず、球団では75年安仁屋宗八以来となる防御率1点台を来季目標に掲げている。