「守りの和田阪神」に秘密兵器が導入されることが26日、明らかになった。球団が主に外野守備強化のために「ノックマシン」を発注したことが判明した。キャンプ中のノッカーの負担を減らすとともに、正確無比なコントロールで内外野の連係プレーに役立てる。

 飛球もゴロも簡単な操作で自由自在に飛ばせる守備練習専用のアイテムだ。今回購入するのは1台で、硬式球用の最上級品は100万円以上する。回転するタイヤの間から放たれる飛球は、風の影響がなければわずか数センチの誤差で狙ったところに落ちるという。

 和田新監督は就任の際に「守備と走塁にはとにかく力を入れたい」と掲げた。外野担当の関川コーチを迎え、守備走塁コーチを1人増の3人体制にした理由もそこにある。

 秋季安芸キャンプではさっそく、内外野の間に打球を打ち野手同士の連係を磨く練習を取り入れた。マシンにノックを任せれば確実に野手の間に球を落とせる上、担当コーチが近くで指導できる。そのほか通常のノックはもちろん、全力で走りながら捕球する体力強化練習にも活用できる。たかがマシンとあなどれない。もの言わぬ1台の新戦力が和田イズムの浸透に寄与するのは間違いない。

 ◆ノックマシン

 ゴムボール用から軟式球、硬式球用まであり、タイプもローラー式、アーム式など様々。値段も幅広いが、硬式野球用は一般的に最も高価。ローラー式なら左右の回転数を変えて、打球を変化させることもできる。以前は打撃用マシンで代用する場合が多かったが、ノッカーの人手不足や負担を解消できるメリットは大きく、少しずつ普及している。