阪神坂井信也オーナー(63)が29日、仕事納めとなった大阪市内の電鉄本社で今季を振り返った。「非常に厳しい年でした…」と述懐。昨年の12月29日、11年シーズンへの期待を漢字一字の「果」で表し結果を求めたが「結ばんかったですなあ」と、寂しそうに総括した。

 ロッテからFA宣言した小林宏らの獲得で戦力を整え、6年ぶりのリーグ制覇を目指しながら結果はBクラス4位に終わった。クライマックスシリーズ出場すら逃し、留任が既定路線だった真弓監督(当時)が辞任に追い込まれるなどさんざんなシーズンだった。

 年が明ければ、また戦いが始まる。12年こそは…の思いを込め、今年も選手に年賀状を書いた。「難しいんやけどね、短い言葉で考えを伝えるのは」と頭をひねり、この選手にはこの言葉を、と一字一句に工夫と愛情を込めた。12年に結果が出れば、1年遅れで「果」への思いが実を結ぶ。

 オーナー就任1年目の08年12月から始めた「来年の一字公表」は初めて年明けに持ち越し。「考えてきます」と笑ったオーナーは仕事始めの来年1月4日、何の1字に和田阪神1年目を託すのか。【堀まどか】