ぶっちぎりV!

 阪神のキャプテンに就任した鳥谷敬内野手(30)が日刊スポーツ読者に新年の誓いをたてた。05年以来7年ぶりのV奪回にかける並々ならぬ決意を激白。開幕からの独走Vを大目標に掲げた。優勝を逃し続けた6年間、4位に終わった昨季の悔しさを胸に、キャプテン鳥は燃えている。

 クールな表情から飛び出した言葉とは思えない。鳥谷の内面は熱い。普段は大げさな表現を好まない男だから、そのコメントに意思の強さを感じる。新年の誓いは「独走V」だ。

 鳥谷

 ぶっちぎりでの優勝ですね。それぐらいの気持ちでいかないと、スタートからいけない。途中から首位に立つというより、最初からいけるように。

 昨季は全試合出場で2年連続の打率3割を達成。2年連続のベストナインに輝き、プロ入りからの悲願だったゴールデングラブ賞も獲得した。統一球に苦しむ選手が多い中、順風満帆の1年を過ごした。それでも不完全燃焼だという。V奪回を逃したから。4位に終わった悔しさは、05年以来7年ぶりのセ界制覇で吹き飛ばすしかない。それも「ぶっちぎり」で。

 鳥谷

 とにかく優勝した中でゴールデングラブ賞を取りたい。打率3割はクリアしなきゃならない数字。そこに打点、ホームランがついてくる。3割を基本にして、そこから周りを付けていきたい。

 個人記録はオマケ。V逸の空虚感はもう味わい尽くした。とにかく勝ちたい。優勝したい。かつての大目標だった打率3割は今やノルマ。4年ぶりのフルイニング出場はもちろん、フォア・ザ・チームの指標とも言える数字、出塁率にもこだわっていく。

 鳥谷

 フォアボールもヒットも塁に出るのは一緒。間接的に打点にもつながりますし。そういう状況で四球を選べるのも大事。自分にとっても、ボール球を選ぶことでストライクが来て、打ちやすくなることもある。

 昨季はリーグトップの出塁率3割9分5厘を記録。今後も四球、進塁打といった「隠れた貢献」に励み、チームを支え抜くつもりだ。虎のキーマンとして打順は1、3、4番から慎重に検討されるが、「どこでも関係ない。言われた打順でしっかりやるだけ」と、どこまでも冷静。優勝に導けるなら、形は問わない。鳥谷の覚悟は揺るぎない。【佐井陽介】