阪神が今秋ドラフトの上位候補として、東海大・伏見寅威(とらい)捕手(3年=東海大四)をリストアップしていることが7日、分かった。城島や藤井彰がベテランの域で、次世代を担う捕手の獲得が今オフの課題に挙がる。

 伏見は即戦力という点でも、最高の素材だ。東海大では1年時から、剛腕・菅野智之投手(4年)の女房役として経験を積んできた。2年春には首都大学リーグで首位打者とMVPを獲得。世界大学選手権の日本代表に選出されたほどだ。学年が上がるにつれて、打力もアップ。全国有数の強豪校で4番を張り、アマ球界屈指の捕手と評されるに至った。「攻守ともに成長が著しい。ウチに必要な逸材だ」と球団関係者は言う。

 城島と藤井彰が今年で36歳を迎え、数年先を考えれば、捕手部門が強化ポイントになるのは確実。若手では小宮山や原口、中谷らが「次」を狙う候補になるが、正捕手を争える人材をさらに確保する必要がある。

 阪神は、1年間の浪人を決めた菅野を今秋の1位候補にリストアップしており、伏見とバッテリー指名する可能性も現実味を帯びてくる。ラグビー好きの父が命名したという寅威。猛虎に縁があるか。今後の動向をしっかりとマークしていく。

 ◆伏見寅威(ふしみ・とらい)1990年(平2)5月12日、北海道千歳市生まれ。江別小3年から投手、遊撃手として野球を始める。江別一中時代は札幌白石シニアに所属し中3から捕手。東海大四では甲子園経験なし。東海大では1年春から首都大学リーグ戦に出場。2年春には4番で首位打者とMVP。同年の全日本大学選手権、明治神宮大会ともに準優勝。世界大学選手権の日本代表にも選出された。家族は両親と姉。182センチ、85キロ。右投げ右打ち。