「30発打ったら、一生食べ放題ちゃ~」。日本ハムの中田翔内野手(22)が7日、大阪府吹田市内のグラウンドで行った米大リーグ、ツインズ西岡剛内野手(27)らとの合同自主トレを公開した。午後からの非公開練習には、2人と親交のあるお笑いタレントたむらけんじ(38)が飛び入り参加。大阪を中心に焼き肉店やカレー店を経営するたむらから、さらなる奮起を促す“公約”を授かった。

 未完の若き大砲が、5年目のシーズンへ向けて大きな珍発奮材料を得た。7日から、日本ハム中田は、大阪桐蔭の先輩にあたるツインズ西岡との合同自主トレを開始。午前中にグラウンドで走塁やキャッチボール、体幹トレーニングなどの公開練習を行った後、昼休みを挟んで室内練習場で行った非公開練習に、突然“珍客”が姿を現した。

 グローブを手にさっそうと登場したのは、ボクシングWBA世界バンタム級王者の亀田興毅ら、多くのスポーツ選手と親交が深いお笑いタレントの「たむけん」ことたむらけんじ。バッティングやノックなどで約2時間ほど、みっちりと汗を流した後、大阪や名古屋で「炭火焼肉たむら」など4店舗を経営する「田村道場」の代表取締役を務めるたむらの口から、驚きのご褒美発言が飛び出した。

 「翔は20発じゃダメ。55本打てる逸材だし、技術もある。最低30本」。今季への期待を口にし、ノルマ達成の暁には「肉で良ければいくらでも…。でも、肉は高いからカレー食べ放題にしようかな。いや、たむらグループの店は一生タダでいいっすよ!」と超太っ腹の“公約”。ただし、熱烈なオリックスファンのため「オリックスの試合以外で打ってね」とのお願い付きだ。

 昨年、143試合に出場し、125安打、91打点、18本塁打と入団以来、自己最高の成績の残した中田だが、本人も周囲も、満足はしていない。「調子に波があった。フォームをシーズン途中に変えてしまったり、自分の中に弱さがあった」と中田。西岡から教わった「脇を締めることの重要性」を体現し、右方向への打球が飛躍的に増えたものの、シーズンを通して継続できなかった。今年は心技体でさらなるレベルアップが必要と痛感している。

 「去年、西岡さんのアドバイスが結果として出ているので、今年も何か盗んで帰れるようにしたい。たくさん勉強したい」。ピッちゃ~からアーチ量産へ、努力の先には、焼き肉食べ放題と、カレー食べ放題の特典が生涯付いてくる。【中島宙恵】

 ◆中田の自主トレ

 プロ1年目は千葉・鎌ケ谷で新人合同自主トレに参加。2年目の09年1月は、ロッテ西岡、中日平田の大阪桐蔭の先輩らと都内で17日間の合同トレ。ただ、自主トレ後に対面したダルビッシュに下半身のゆるみを指摘され、「日サロ行き過ぎ」などと一刀両断された。3年目の10年1月も西岡らと都内で実施。えとにちなんだ「金色ライン入りの虎柄ヘア」でさっそうと登場し、さらに買ったばかりの愛車レクサスのエンジン音を高らかに響かせる“暴走族スタイル”で、周囲を驚かせた。4年目の昨年も西岡と大阪市内で行い、1つ1つのトレーニングを理解して真剣に取り組み、グラウンド整備もこなすなど大人の姿勢だった。