黒田よ、いつでも帰ってコイよ!

 広島松田元オーナー(60)が10日、メジャー残留を決めた黒田博樹投手(36)をいつでも受け止めると明言した。「うちは選手にとって里のようなもの。今後、もし帰ってくる決断をしたら喜んで迎えたい」。1年後か2年後…国内復帰を決めた際の受け皿は、カープ以外にないと強調した。

 2年続けてのラブコールも届かなかった。だが、カープは黒田を待ち続ける。松田オーナーは「里」という言葉で、その気持ちを表した。

 松田オーナー

 残念だけど仕方がない。決断を尊重するしかない。ただ、うちは選手にとって里だと思っている。それはどういう決断をしても変わらない。

 いつでも選手が帰ることができる場所。それが広島という「里」だ。これまでも09年にメジャー移籍した高橋が10年に帰国した際には、復帰先として受け入れた。悩んだ末にメジャー残留を選んだ黒田にも、引き続き門戸を開いて待ち続ける。

 松田オーナー

 もし彼が今後、(カープに)戻る決断をしたなら、喜んで迎えたい。

 昨季、自己最多となる13勝を挙げたメジャー右腕の復帰はならなかった。それでも今季の戦力には自信を持っている。

 松田オーナー

 帰ってくれればとてもうれしかったが、黒田の加入を計算して補強しているわけじゃない。それがなくてもシーズンを戦う戦力は十分あると考えていた。

 ドラフトで1位野村祐輔投手(22=明大)ら有望新人を獲得し、新外国人もニック・スタビノア外野手(29)、キャム・ミコライオ投手(27)を補強した。FA権を取得した栗原と広瀬の引き留めにも成功した。丸ら若手が伸び、故障に苦しんだ広瀬や梵、大竹の復活も期待できる。戦力の上積みが、着実に進んでいる手応えがある。

 特に投手陣は層が厚くなり他球団と遜色ない。今後は野手陣でポイントとなるスタビノアの日本での適応力を、キャンプ、オープン戦を通じて確認することになるが、基本的な補強はこれで終了。21年ぶりの優勝を勝ち取り、胸を張って黒田を迎え入れる。【高垣誠】