最新機器をフル活用し、打撃進化させる。楽天松井稼頭央内野手(36)が13日、都内で自主トレを公開した。室内練習場での打撃練習では、関係者がネット越しにiPad(アイパッド)2で撮影。「自分の思ってるイメージと映像にどれだけ差があるかがわかる。自分の目でチェックできるので」と、練習後には前後左右からの映像で打撃フォームをチェックしていた。

 iPad2は昨年5月に球団から支給され、主に遠征先で他球団のデータを確認する目的で使っていた。それをこのオフの自主トレから積極的に活用している。撮影役を務めた関係者は「見やすいし、保存もできるし、すぐ見比べられる」と言う。画面サイズは縦約24センチ、横は18・5センチで家庭用ビデオカメラに比べ約18倍の大きさ。映像を見て、すぐに改善できる利点がある。松井は「皆さんにはわからないかもしれないけど、フォームも変えました。言えませんけどね」と笑った。

 チームでは最年長。昨年のキャンプでは高須らベテラン勢は2軍で独自調整を許された。それでも「僕は1軍でやりたい。二遊間の連係も出てくるし、ずっと一緒にやってるので」と、若手に交じって練習し、積極的にコミュニケーションを取るつもりだ。

 昨季は139試合で打率2割6分と、納得のいく結果ではなかった。今季は中日に移籍した山崎が付けていた背番号7で再出発し、「144試合出場」が目標だ。「チームも自分自身も勝負の年なので」。西武時代の03年以来9年ぶりのフル出場へ、全力で突っ走る。【斎藤庸裕】