ソフトボールから転身した日本ハムのドラフト7位大嶋匠捕手(21=早大ソフトボール部)が“元プロ”の球に四苦八苦した。千葉・鎌ケ谷で行われている新人合同自主トレは20日、第3クールに突入。本格的な打撃練習が始まり、硬式未経験の大嶋にとっては、課題が浮き彫りになった1日となった。

 こわばった表情で打席に立ち、昨年までヤクルトで現役だった高市打撃投手の球を待った。「入団テスト以来」の“生きたボール”。打ち返す動作は、どこかぎこちない。21スイング中、安打性は3本止まり。2球連続でストライクを見逃し「すみません」と、180センチ、95キロの巨体を小さくかがめ、謝る場面もあった。

 ソフトボールでは公式戦13試合連続本塁打を放つなど桁外れのパワーを誇ったが、この日はその一端を見せられず。「人に投げてもらう方が楽しい」と話す一方で「今日は自分のやりたいことが出来なかった。上半身と下半身のズレが…。マシンやティーで形を固めてから打ちたかったですね」と残念がった。

 異種競技からの転身に、本人も不安がないわけではない。ただ、メジャー移籍が決まったダルビッシュが大嶋の映像を見て「肘の使い方が柔らかい」と褒めたことを人づてに聞き「ちょっと自信になりました」。球界のエースの言葉に勇気をもらった。「まず動いていないボール、その後マシンを使って…。段階を踏んでやっていきたい」。常識を覆そうと奮闘するソフトボーイの挑戦は、始まったばかりだ。【中島宙恵】