広島大野豊投手チーフコーチ(56)が、コイ投手陣に“80勝指令”だ。22日、大竹市内で行われたイベント「おおたけカキ水産まつり」に青木高広投手(30)ら3投手とともに参加。「優勝争いできる80勝を目指したい」と話した。春季キャンプは実戦機会を増やす方針。1軍生き残りをかけた「サバイバル・キャンプ」となる。

 野望は口にしないと始まらない。ステージ上で、大野コーチは宣言した。少年野球チームの選手からの質問コーナーで「今季何勝したいか」との問いに即答した。

 大野コーチ

 コーチの立場からして、優勝争いのできる80勝をメドにしたい。ここにいる選手も何勝かしてくれないとね。

 イベント後にも「80勝は目指さないといけないでしょう」と強調した。その裏付けは、投手陣の底上げという確かな手応えにある。

 大野コーチ

 一昨年より昨年、昨年より今年というのは感じている。そうなればチーム内の競争が激しくなる。我々が(誰を使うか)頭を悩ませるようになればいいね。

 野村カープ体制3年目、投手層の厚みに自信をにじませる。エース前田健に助っ人バリントン。守護神にはサファテがおり、セットアッパーとして今村も開花した。新人福井もローテを守り、中継ぎ陣では青木や岸本が好成績を残した。今季は即戦力ルーキー野村らも加わり、大竹、永川勝、横山ら中堅、ベテランも復活を期している。

 松田オーナーには昨季のチーム防御率3・22から「2・50以下に」と求められているが、大野コーチは「夢(の数字)じゃない。そこに行ければ試合もつくれるし、勝ち星も増える」と要求に応える心意気を示した。

 そのために、2月1日からを“サバイバル・キャンプ”にする。沖縄1軍キャンプの参加メンバー(投手陣は20人前後の見込み)は今日23日に決まるが、2年目金丸ら若手の抜てきが見込まれている。

 今キャンプでは実戦機会を大幅に増やす方針で、11日には日本ハム、14日には阪神との練習試合が設定されている。第1クールから打撃投手での登板、2クール目からは紅白戦も予定している。キャンプイン当日からブルペン入りできるように選手に通達もされており、特に若手の実力を実戦で見極め、1軍戦力の底上げを徹底するつもり。激戦を勝ち抜いた選手で“80勝軍団”を形作る。【高垣誠】