西武浅村栄斗内野手(21)が30日、計7ポジションでのフルイニング出場を目指すことを誓った。「とにかくフルイニング出たいんで。言われたところでやれるように、僕はどこでも守れる準備をするだけです」。昨季は捕手、中堅、遊撃手を除く5つの守備位置で先発出場したが、今季は捕手を除く7ポジションでグラウンドに立ち続ける。

 フルイニング出場は阪神金本など同一ポジションでの出場が一般的。2リーグ制以降、80年に日本ハムの柏原が4つの守備位置(一塁、二塁、三塁、右翼)につきながら達成したが、7ポジションになれば史上初の快挙になる。すでに、遊撃手での起用も示唆した渡辺監督も「(浅村の守備位置を)固定はしないと思う。状況を見ながら」と話すように、チームバランスを見極めた上で、守備位置を決める方針を示す。

 単身で行った地元・大阪での自主トレでは、強靱(きょうじん)な肉体づくりのメニューを組んだ。「去年は終盤、足に(疲労が)きた。1年間戦える体づくりを重点的に、下半身中心に鍛えた」とウエートトレーニング中心に下半身を強化。体重は昨年から5キロ増の87キロに達した。

 複数ポジションを守るための準備も整えた。宮崎・南郷キャンプに向け一塁、内野用、外野用など複数のグラブを用意。複数ポジションを守る難しさについて「去年はありましたけど、今年はあまりないです」と話した。「(打順も)任されたところで。打点にこだわって、80を目標にしたい」。攻守で万能さを見せ、前人未到の記録に挑戦する。【久保賢吾】

 ◆西武浅村の守備位置

 昨季は一塁での59試合を筆頭に、左翼47試合、右翼13試合、二塁2試合、三塁1試合と続く。大阪桐蔭時代は大型遊撃手として、甲子園でも活躍。昨季は遊撃手での出場はなかったが、10年に出場経験。渡辺監督は「中島が三塁、中村が一塁という可能性もある。(その場合の遊撃手は)浅村」と明かす。