「誰にも負けるつもりはない!」。日本ハムの中田翔内野手(22)が、ナンバーワン宣言だ。30日、自主トレ先のハワイから、ホノルル発の航空機で帰国。今日31日にはチームとともに沖縄・名護入りし、2月1日から始まる春季キャンプに備える。レンジャーズへ移籍したダルビッシュ有投手(25)から、名指しでチームを託された若武者が、チームの軸となる活躍を誓った。

 顔つきも体つきも、明らかに引き締まっていた。褐色に焼けた肌で成田空港に降り立った中田の表情は、自信にあふれていた。「体の方はいい状態。体重?

 98~100キロだから、少し増えたかな。体脂肪を落として筋肉を付けた」。外見では予想できない体重増。無駄なものをそぎ落とし、鋼の肉体を手に入れた。

 ハワイでの自主トレは、昨年に続き2年連続。21日に日本を出発してから、個人トレーナーのケビン山崎氏の指導の下、キャンプインぎりぎりまで常夏のハワイで体をいじめ抜いてきた。「走るメニューであっても、キャンプ中のメニューよりもキツイ。打つ方でも、ハワイ大の施設を借りて毎日打ってきた。去年より、確実に追い込むことができている」。昨年以上の手応えを持って、春季キャンプを迎える。

 肉体づくりに夢中になっている間、日本では兄貴分として慕ってきたダルビッシュが、雪深い札幌で移籍会見を行っていた。会見の模様を報じたニュースは、まったく目にしていなかったが、“最も期待する選手”として自分が指名されたことを知り、心が震えた。「あれだけお世話になった人に、そう言っていただいて…。やってやろうという気持ちになるし、気が引き締まる」。結果を残すことが、最大の恩返し。移籍会見で「世界一の投手になる」と宣言したダルビッシュと、再び同じステージに立てるよう、高い志で5年目のシーズンを戦う決意だ。

 「自分はまだアピールしないといけない立場。シーズンを通して試合に出ないと。誰にも負けるつもりはない」。国内で無双を誇ったダルビッシュのようにチーム内で確固たる地位を築き、球界を代表する選手となるべく礎をつくる。【中島宙恵】