4年ぶりのV奪回を目指す西武が、史上まれに見る「戦国キャンプ」に突入する。1月31日、チームはキャンプ地の宮崎・南郷入り。宮崎空港で取材に応じた渡辺久信監督(46)は「競争意識をもった厳しいキャンプになる」と予告した。先発陣には涌井秀章投手(25)、岸孝之投手(27)ら実績のあるメンバーもいるが、横一線を明言。激しいサバイバルが繰り広げられる。

 渡辺監督の言葉が「戦国キャンプ」幕開けのゴングだった。「選手には最高のキャンプにしようと言っている。競争意識をもった厳しいキャンプになる」と予告。「今年勝たなきゃ、男じゃない」(同監督)と強い覚悟で臨むシーズンに向け、グラウンドに立つ「真の男」の選考をスタートさせる。

 最も激しいサバイバルは、先発ローテーションをかけた争いになる。涌井、西口、石井一、岸、牧田ら実績あるメンバーがそろうが、渡辺監督は「誰も決まっていない」と現時点での横一線を明言。「涌井も岸も目がぎらついているんじゃないか」と奮起に期待しながら「若手にとってはチャンスだよ」と競争意識を刺激した。

 強化指定選手に指名されたのは、2年目の大石達也投手(23)だった。6球団競合の末に入団したが、昨季は1軍登板ゼロ。「(注目は)大石だね。チーム方針として、1年目は何も言わなかったけど、今年は見ていこうと。楽しみですね」と目をぎらつかせた。オフにフォーム修正に取り組んだ大石も「徐々に良くなっています」と手応え。2年目の雪辱へ向け、激しい先発枠争いの舞台に立つ。

 サバイバルを色濃く意識させることで、最強投手陣の構築を目指す。渡辺監督は「チーム防御率は2点台。2ケタ勝利のピッチャーが、4人くらい出てきてもらいたい。そうすれば優勝も見えてくる」とVロードを描いた。戦乱が頻発する中、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康らが天下統一を目指した戦国時代をほうふつとさせる激しい争い。天下分け目の戦いを制したものに、真っさらなマウンドに立つ資格が与えられる。【久保賢吾】