いきなり遠投!

 阪神金本知憲外野手(43)が沖縄キャンプ初日の1日、宜野座球場で右肩復調を見せつけた。キャンプインから1時間足らずの午前11時前。キャッチボールが始まると、遊撃定位置後ろに位置した伊藤トレーナーを相手にどんどん距離を伸ばした。新井、鳥谷ら内野陣が30~40メートル前後で投球する姿を横目に、金本は最終的に左翼フェンス手前まで到達。60メートル超を力強く投げきった。

 「まあまあです。キャッチボールは80点。足も80点。バッティングはダメ」

 本人は80点と採点したが、南国の虎党は驚いただろう。右肩棘(きょく)上筋断裂からの復活を目指した昨季は納得いく送球ができず、122試合で打率2割1分8厘、12本塁打と苦しんだ。患部が回復したオフはほぼ無休で体をいじめ、満を持してのキャンプイン。どこまで投げられるのか?

 答えは遠投で示した。

 中日佐藤スコアラーは驚きを隠せない。「初日からあそこまで投げられるとは思わなかった。やりそうな雰囲気がプンプンする」と警戒。伊藤トレーナーは「すでに70メートルちょっとを投げていた」と説明し、さらなる復調にも期待がかかる。

 この日は内外野で守備練習に参加し、背面キャッチも披露。宜野座ドームではティー打撃42スイング、右腕だけでの強振も試した。さらにフリー打撃66スイング。途中、動画でフォームを確認しながら、右中間ネットに打球を突き刺した。

 今後は第1クール中に屋外フリー打撃を開始し、2クールからシートノックも解禁予定。完全復活へのシナリオはもう、はっきり描かれている。【佐井陽介】