仰天のバスターダ~ン!

 沖縄・宜野座1軍キャンプに抜てきされた高卒2年目の阪神中谷将大捕手(19)が2日、屋外フリー打撃中にバスターから柵越えを放った。球速の出ない打撃マシンに対した14球目。バスターではじき返された打球は、美しい放物線を描き左翼席に消えた。

 中谷

 知らないです。気付いていなかった。飛んでホームランというのも知らなかったです。下半身を使うことを意識しました。

 天然マイペース系の未来の4番はキョトンとしていたが、片岡打撃コーチはバスター弾を絶賛した。「バスターをするのが下手な選手が最近多い。上半身と下半身のバランスがバッティングの基本。バスターでもしっかり振ればボールは飛ぶ」。昨秋の安芸キャンプで片岡コーチから下半身を使って打つことをたたき込まれていた。

 屋外フリー打撃でも強化選手に指名された。他の選手が一回りする中で、中谷だけ二回り。198スイングで16本を左翼に放り込んだ。初日の特打38発に続き、天性の飛距離を猛アピール。プロ1年目の昨季、実戦での本塁打は育成試合の1本だけ。公式戦ノーアーチだったのがうそのようだ。片岡コーチは「ここ2日間非常に目をひく。期待していた通りのスイング」と称賛を惜しまなかった。

 捕手からの転向に挑戦する守備面は課題が残る。一塁で受けた内野ノックでは、厳しいコースの打球にダイブを連発。ユニホームを真っ黒にして、同組の新井、関本という主力クラスとともに白球を追いかけた。関川コーチは「どんどんレギュラーを脅かしてくれないと」とハッパ。未来の4番が曇り空の沖縄で太陽のような輝きを放った。【岡本亜貴子】