新作のブラ、売り出し中です。阪神クレイグ・ブラゼル内野手(31)が9日、沖縄・宜野座球場で6連発をぶっ放した。屋外フリー打撃77スイングで23発。2年目の統一球対策でミートを心掛けながらボールが飛ぶ、飛ぶ、飛ぶ~!

 開幕一塁の座を城島に渡してなるものか。熱い思いがバットに宿った。

 迎えのワゴン車に乗り込み、ブラゼルは思いきり背もたれに体を預けた。練習を終え、両足を伸ばしてグッタリ。身も心も余すところなく削っている証拠だ。

 ブラゼル

 このキャンプはすごくキツイよ。ベリー、ヘビーだ。

 苦笑いの中に充実感が漂う。第2クール最終日も中身は濃かった。存在感を見せつけたのは屋外フリー打撃。77スイングで23発。3連発が4度、最後は6連発で観客をおおいに沸かせた。

 まるでピンポン球のように…。思わず、そう表現したくなる。圧巻は終盤の68スイング目からだ。左腕の打撃投手を相手に、まずバックスクリーン弾からスタート。打球方向を徐々に右中間に移しながら、驚きの6連発ショーだ。推定140メートル弾も余裕でたたき込み「ブラゼルここにあり」を印象づけた。

 10年は47発。統一球が導入された昨季は右太もも裏肉離れで離脱した影響もあり、B砲には似合わない16発に終わった。今キャンプは2年目の統一球対策として、ミートを心掛けていると言う。結果、バットの芯を食ったボールが次々と、スタンドに着弾している。さらなる進化に期待大だ。

 打つだけじゃない。人目を忍び、志願のランチ特守も敢行した。メーングラウンドでは平野、鳥谷が特打をスタート。城島が飛び入りで外野を守っていたころ…。ブラゼルはこっそり久慈コーチとサブグラウンドに消えた。一塁守備に就き、2人きりの30分間ノックタイム。身ぶり手ぶりで送球動作も確認した。打って守ってフル回転すれば、フラフラになるのも当然だ。

 左膝手術、右肘痛からの復活を目指す城島は一塁手として開幕スタメンを狙う。強力ライバルが出現し、B砲の立場は決して安泰とは言えない。前日8日には城島がランチ特打に飛び入り参加し、97スイングで21発。負けてはいられない。

 和田監督

 昨年の成績に対して、もっとできるという思いがある。このキャンプは期するモノがあると思う。刺激になるモノもあるし、それがなくてもやる選手だから。

 切磋琢磨(せっさたくま)しての向上は大歓迎。お尻に火がつき、12年ブラゼルはひと味もふた味も違う。【佐井陽介】