ソフトボーイが、1軍選手に質問攻めの猛アタックをかける!?

 日本ハムのドラフト7位ルーキー大嶋匠捕手(22=早大ソフトボール部)が21日、先輩野手から、昼夜問わずの指導を受けたいと熱望した。キャンプでアピールを続け、この日から正式に1軍に合流。主力打者らと同宿の環境に、昼はグラウンド、夜は宿舎でプロの技術を学び、レベルアップを図る。

 恋女房ならぬ、押しかけ女房さながらの積極性を見せる。大嶋は1軍昇格初日から、早速アクションを起こした。「(宿舎の)夕食会場でスレッジに話を聞こうと思っています。もう、話は通してありますので」と、練習の合間に自ら交渉し、快諾を得ていた。19日に行われた紅白戦で特大の本塁打を放った助っ人に魅了されていた。

 「普通に見ていて、すごいなと。(打撃に関して)全部聞きたい。(いろんな質問を)ぶっ込みます。通訳さんにもお願いしています」と、意気揚々と引き揚げた。しかし、講義を受けるはずの夕食会場ではスレッジのみで、頼みの通訳が不在。肝心の打撃理論を聞くことができないというオチがついたが、「明日もあるので」と、気を取り直して室内練習場へ向かった。夜間練習では、同い年の中田とともに汗を流した。

 キャンプ打ち上げの28日まで先輩への“アタック”を続ける。同じ左打者の稲葉や糸井などの主力の名前を挙げられると「聞きたいですね」と、興味津々に話した。実戦では、先輩の打撃動作に目を凝らす。気がついたことや疑問に思ったことは、夜に宿舎で本人にぶつける。寝食を共にするキャンプだからこそできる。「せっかく、1軍に来ているので、聞けることは聞きたい」。食事会場にとどまらず、先輩の部屋への突撃訪問にも積極的だ。

 自室では、打撃の研究を欠かさない。前日20日には、2軍宿舎から移動後に、動画サイトで西武中村の打撃に見入っていた。「スローで撮っているものがあって、(自分の打撃向上に)ヒントになるものを見つけた」と、手本としてきた打撃フォームを入念にチェックした。この日のフリー打撃で、気づいたことを試した。見て、聞いて、学ぶ姿勢はグラウンドだけにとどまらない。

 日々成長するソフトボーイに、栗山監督は「チームにとって、どういう存在感を出せるのか、示していってほしい」と成長を期待する。この日は、ブルペンで武田勝、斎藤ら4投手の計194球を受けた。「まだまだ練習不足です」と、捕手としての実力不足を嘆いたが、左の代打候補としてはアピールを続けている。「バッティングの方で1軍に呼ばれたと思っている。しっかり結果を出していきたい」。今日22日韓国SK戦(名護)では途中出場が濃厚。1軍生き残りへ、貪欲に吸収していく。【木下大輔】